bespoke classic
六義
RIKUGHI
Art&ClassiC
「エクリュゴールドのポケットスクエア」
★
紳士のワードローブは「永遠」のものでなければいけません。大切なことなので繰り返しましょう「紳士のワードローブは『永遠』」のものでなければいけません。それは紳士の本来の装いは「デザイン」というもので成り立っていないということです。
例えばタイ。紳士が結ぶべきタイは古より「決まって」います。サンローランであろうがナポリのなんちゃらであろうがそれは単に「色や柄がデザインされたヒモ」にすぎません。クラブタイやガーズタイやスピタルスフィールドタイ、レイプシードタイなどのクラシックタイがもつ「意味」をもっていません。タイに「デザイン」は必要ないのです。
同じように「ポケットスクエア」にも意味があります。「無造作にポケットスクエアを押し込めばよい」と記したファッション評論家がいましたが、それはウソです。
無造作にみえるように周到にかたちを直しますが、ポケットスクエアをどれだけの分量をどのようなかたちで挿すかにもしきたりがありました。
ウインザー公の装いをみてもごく初期のころには「控え目」にみせたり「三角状に大きく」みせたり一様でないのがわかると思います。控え目に見せるのがアンダーステートメントで分量豊かに見せるのが押し出しが強いという単純なことではないのです。
ポケットスクエアに関しては我が国では「よくわからない」ままの状態です。「挿し方」については後述するとして、まずまともな素材を手に入れましょう。
まずは「30匁以上の白のシルク」で熟練の手で極めて細く「三巻」されているもの、これは一辺が約43センチのもの。
そして「白の麻」のものこれは分量感があるので少し小ぶりでも良いでしょう。
そして、最も活躍するのがこの「エクリュ ゴールド」です。白ほどコントラストのない淡いゴールドでなので装いに溶け込みます。白だと堅苦しすぎるときに使います。
1930年代に織られた素材は匁のある極めてスムースなサテン地で上質な糸で精緻におられています、毛羽立ちをおこさないように経糸にレーヨンを織り込んであるます。
一辺が43センチ、熟練の手で極めて細く「三巻」されていることは言わずもがな。紳士の最も正当なクラシックポケットスクエアです。