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三丁目003S「 bespoke classic briefcase 海亀×馬尻 究極技版」
三丁目チーム×大久保×劉一
三丁目チーム
ClassicBespoke
Briefcase
no. 3
「六義ブリーフケイス �儀拭�」
海亀×馬尻
究極技版
実のところ付き合うほどに三丁目チームの「技」の奥深さに驚いています。
半世紀近くのキャリアを誇るその「昭和の手技」は迷宮のようで、
現在の職人が知らない技術、
資材（芯地など）の使い方などが次々と姿を現すのです。
「キャンバストート」で見せたステッチの美しさ、品の良さ、
そして仕立ての確かさは日本の職人ならではのものだと感嘆しました。
しかし、その神髄はやはり「革の鞄づくり」にあります。
私の経験から言うと○ルメス、○ィトンなんて目じゃない。
亀の斑を揃える技、硬いコードバンを裏表二重にする丁寧すぎる仕事など、
世界にここまで出来る職人はいないでしょう。
多分、日本はこの職人さんたちを活かしきれていなかったんだと思います。
制作に十分な時間を与えてあげていなかった。
数をこなさなければ成り立たない状況を押し付けていたんだと思います。
残念すぎる。口惜しい。
私は是非一度、十二分にこの職人さんたちの技を堪能したいと思い始めました。
それも「最高の技術」には「最高の素材」で、、、
いろいろと迷ったすえ、
「最高の素材」として私が揃えたのは
ウミガメのヴィンテージスキン（約２０年以上前のもの）と
アトリエオープン時に日本のタナーに特注した「理想のコードバン」です。
どちらも、縫いにくく、扱うのに技術の要る「職人泣かせの素材」です。
銀座東京
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海亀は1994年にワシントン条約で捕獲禁止になっているので、この革も２０年以上眠っていたことになる。
私がこの「海亀」を手に入れたのはちょうど日本がバブル時代に入ろうとする頃で、その当時でも既に希少なものになっていた。「もうこういう丁寧な仕事ぶり（なめし）の海亀の革はありませんよ。ここにある在庫がなくなればもうおしまいです。」ともったいつけられながら手に入れた記憶がある。すでに「海亀」の革をなめす業者は失くなっていた。
同じ「エキゾチックスキン」でもクロコダイルの斑が大から小へと規則的に並んでいくのに比べ、「海亀」の斑は大小細かく入交り、より豊かな表情をつくっている。とくに部位によって氷柱にノミかなにかで衝撃を与えたときに内部に広がる細く鋭い亀裂のような斑を見せるのは「海亀」独特のものだろう。
鞄に仕立てるとさらに艶やかさが出た。確かに良い鞣しだった。２０年の歳月を経ているが保存方法にちょっとしたコツがあって幸いにも歳月はより深みを与えた。
かつては腕の良い革職人はクロコダイルより「海亀」を好み、技の限りを見せることを誇りにしたというのも頷ける。斑の豊かな表情は仕上がりがより「工芸的」なのだ。
しかし「海亀」は職人泣かせの素材でもある。革は牛革のように平面ではない。海亀そのものの抜け殻のかたちをして身体の部位そのままに隆起し、職人はそれを活かすように裁断するしかない。
頭から尻尾まで大体６０センチ、横幅は４０ほどの小さな革なので靴ならばブローグなどのパーツの多い靴、或いは財布やキーホルダーなどの小物に主に使われる。
鞄に使われるのは稀である。職人さんはそぞや苦労したことだろう。鞄の面側は斑をデリケートなテンションで縫い合わせるため、完全な手縫いで縫われている。仕上がりをよく見ると「昭和の職人さん」の技と工夫と苦労がそこかしこに見られる。
この「海亀×馬尻」は「昭和の職人さん」の経験と大久保のいままでをぶつけ合わせたかったのだ。
文字通り馬があったのか、鞄の蓋の部分には長年の使用を考えて「薄い金属板」をいれようなどと互いに反応し始めたのは幸いだった。
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このコードバンはアトリエを開くとき日本のタナーに「理想のコードバン」をつくるべく鞣してもらったものだ。少し、オイルを浸み込ませてある。革も選りすぐり鞣し方もちょっと凝っている。
一頭の馬からとれる「最良のコードバン（馬のお尻の部分）」はほんとに小さく、平均して５０センチ四方ぐらいしかない。
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