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テレンス ザ・テンペスト モンタギュー伯爵コレクション010S「bespoke タイピン」
bespoke classic 六義RIKUGHI
Art&ClassiC
The collection of
「テレンス ザ・テンペスト モンタギュー伯爵」
★
★★★
Bespoke
「タイピン」
名人の手
■
「蒼い大蛇の棲む館」
モンタギュー伯爵は湿った赤土のジャングルを愛犬ユリシーズと七つの滝へと急いでいた。すでに午後も過ぎ陽は傾きはじめた。辺りは夕闇の気配をたたえはじめている。急がなければならない。
幸い先行していた友人のウエスト伯爵が原生林のジャングルに道筋をつくっていてくれていたのが助かった。
やがて遠くから水の音が聞こえはじめそれはやがて大量の水が落下する滝の轟音となった。緑深い原生林の向こうに七つの滝が現れた。
思わずモンタギュー伯爵は足をとめその全貌を眺めた。ランカウイ島西側のマットチンチャン山の傾斜の中腹にはりつくように轟音をたてながら流れる滝は独特の姿をしていた。上段から滝壺にむかって一直線に落下するのではなく、七段の階段上になった黒光りする岩壁を水しぶきをあげてくねりはねあがりながら勢いよく落下していくのである。
その一段、一段を山水が乗り越えるたびに岩とぶつかりあって霧のような水煙りをあげていた。現地名の「テラガ・トゥジュ」はその名の通り「七段の滝」を意味する。
ウエスト伯爵はこの七つの滝の源流に野営しているはずだ。滝の源流にはこんこんと湧きつづける七つの井戸がある、伝説では妖精たちがその七つの湧水を蝶のように飛び回りながら水浴びに興じたと伝えられている。
■
「bespokeタイピン」
「タイ」は立体的に結ばれるものだ。
それはボーブランメルの首元を優雅に飾った「スカーフ」のようにふわりとしていなければならない。
そのためには、どうしても「タイピン」が必要なのだ。いかにキュッとタイを結びつけようが必ず結び目は「落ちてしまう」。
しかし、世の中に「欲しくても無いもの」は数あれど、「タイピン」ほど必要であるにもかかわらずこれほど悲惨な姿をしているものはない。
エレガントを知り尽くしている「モンタギュー伯爵」ならこの解答を持っているにちがいない、、、そう私は思った。
そう、「タイピン」もまたbespokeでなければならない、、、なんだ簡単なことだったんだ。
グレイの水玉のタイにはグレイの水玉が並んだタイピンをする。
エレガントこのうえなくとけこんで、かつじっとみつめていた他人がその存在に気が付けば必ずや驚嘆するに違いない。しかもタイを傷つけることもない。
アンダーステイトメントにしてアヴァンギャルド、これぞ、最もエレガントな解答である。
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「名人の手」
「テレンス ザ・テンペスト モンタギュー伯爵コレクション」では、常に特別な素材を特別な仕立てで制作していこうと思っています。
今回は「名人の手」によるタイとお揃いのタイピンです。
銀座東京