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テレンス ザ・テンペスト モンタギュー伯爵コレクション005S「 ファベルジェ 」






bespoke classic 六義RIKUGHI
Art&ClassiC
The collection of
「テレンス ザ・テンペスト モンタギュー伯爵」

★★★
皇帝の宝石師
「ファベルジェ」




「蒼い大蛇の棲む館」



「ロマノフの失われた財宝」の行方については3つの説があったはずだ。


モンタギュー伯爵は翡翠の蛇の腕飾りをみつめながら記憶を辿っていった。


ひとつはサンテクスベルグのレヴァショヴォ村のアガトン・ファベルジェの邸宅、ボルシェビキは探し出せえなかったが、そこにはまだ3つの金庫が隠されているといわれている。





もうひとつは、ファベルジェ一家の会計士であったオットー・バウアーがラトビアのどこかに隠したといわれる説。


信憑性が高いのはアガトン・ファベルジェの妻がサンテスベルグからフィンランドへと逃れる際、その国境沿いにあった大木のひとつの根元にアガトン家の財産とともに埋めたという説である。





しかし、未だ誰も「ロマノフの失われた財宝」を見つけ出した者はいない、いや或いはすでに秘密裡に探し出されていて闇のルートで取引されているのかもしれないが、、、




皇帝の宝石師
「ファベルジェ」


「ファベルジェ」についてはWikiをはじめ多くの検索資料がパソコンを操ればでてくることだろう。

有名なところではエルミタージュ美術館に残る毎年趣向が凝らされて制作された「インペリアルイースターエッグ」がある。

これは当時の、或いは現代においても宝飾技術というものの粋を凝縮した傑作だと断言できる。

以前、テレビ番組で一度だけドキュメントが放映され、その画面上で見たイースターエッグのひとつは、中から時計仕掛けのクジャクが歩きだし、立ち止まったかとみるとギロシュ模様が刻まれたエナメルの羽を優雅に広げた。驚くべき緻密さ、豪奢さ、洗練さ、その美しさに私は釘づけになってしまった。


ネックレスや指輪という枠(既成概念)を越えた「美を生み出す技術」としての「宝飾工芸」を教えてくれたのが「ファベルジェ」である。


いまやファベルジェの宝飾技術は「伝説」のひとつである。最盛期には500人を越える職人を擁し、皇帝の庇護を受けたロシア最大の工房である。

高価な宝石はこれからも生まれるだろうが、「宝石に興味を持たない者」をも魅きつける「美」を生み出すこういう工房は二度と生まれないだろう。

ファベルジェの技術で特筆すべきものはいくつかある、

そのひとつはハードストーン(翡翠、ローズクオーツなど)を彫刻のようにひとつひとつ職人の手で彫り上げてリアルな動物をつくる技術である。その緻密さはいまはコンピューターにしか置き換えられないだろうが、職人がつくりだすその表情、動きまではコピーできないだろう。


英国王室に献上された「ハードストーン」で仕上げられた英国王室皇族の各愛犬たち(当然だが本物とそっくりだという)はいまでも王室コレクションとして名高い。

ハードストーンでつくりあげられたのは動物の「置物」だけでなく、ウサギや猟犬の顔をリアルに再現し、エナメル細工や宝石細工を施したパラソルやウオーキングステッキにつける特別な「柄」もある。これもコレクター垂涎のものだがなかなか市場には姿を現さない。


ファベルジェのもうひとつの「技」は緻密で色鮮やかなエナメル技法である。これは細かな「ギロッシュ模様」を何重にも重ね、他では見られない美しい色が特徴的で印象に残る。

この色を出すための顔料のレシピは門外不出とされていたらしい。とくにこの「蜜蜂のスカーフ止め」に見られるような鮮やかな黄色はファベルジェだけができる秘色とされていた。


ファベルジェは動物、昆虫などをデフォルメしてなおかつリアルな姿を残すのを得意としており、

ファベルジェの宝石のなかでも「動物、昆虫コレクション」は高く評価されている。

どれもその細工の緻密さにおいて突出しており、とくにローズカットダイヤモンドなど宝石のセッテイングの美しさと独自性には定評がある。

カール・ファベルジェはモチーフにいかに美しく宝石をセッテイングするかに拘りがあり、何度も試作を繰り返してベストなセッテイング方法を探ったという。ファベルジェの宝石のセッテイング方法はいつもそのデザインにあわせて革新的な方法が開発され他の追随を許さなかった。


ファベルジェが現存する他の「宝石屋」と決定的に異なるのは、「皇帝の宝石細工師」としての歴史をつらぬいたことである。

ファベルジェの宝石を手にできるのは皇族か身分の高い者に限られた。

ロシア革命の勃発によって、「全盛期」に本当に突然にその歴史を絶たれるわけだが、考えようによっては良き時代のみに存在したことで「ファベルジェ」はいまも「伝説」であり得るのだと思う。


そのファベルジェもいまやマーケットに姿を見せない。思えばマーケットにファベルジェの宝飾品が出たのはロシア崩壊後の数年だけであった。そのときは何故かいまだ資料でしか見たことのない「ファベルジェ」の名品が静かに取引されていたものだ。

いまはカタログだけに姿を残すか、つまらないものか、たいへん高価な値付けをされたものだけだ、、、もう「取引」の対象ではなく「資産」、「資料」となってしまった。





「黄色い蜜蜂」


ファベルジェの昆虫や動物はリアルであるけれど、どこかチャーミングである。

グロテスクなほどリアルではない、愛らしい表情を工夫されている。


この「黄色い蜜蜂」もその典型だと思う。「虫嫌い」でもかわいい、美しいと思わせるものがある。

そして実に精緻に、賢明に設計されている。この一匹の蜂にファベルジェの或いは宝飾技術の「トップの部分」が凝縮されている。


この「一匹」をもっていれば少なくとも20世紀のベルエポックの最高の宝飾技術を手にすることができる。

ボデイは「ローズゴールド」でつくられている。蜂の顔の表情作りが巧い。目にはガーネットが嵌められている。

このガーネット使いはローズカットダイアモンドに囲まれた背の中心にはめ込まれた大振りのピジョンブラッドの「ガーネット」と呼応する。

翅はホワイトゴールドで透かし彫りに細工され、やはりローズカットダイアモンドで飾られている。

背中中央の石のセッテイングと翅のダイアモンドのセッテイングの巧さが「ファベルジェ」である。これは相当に複雑にして綿密に設計されている。


そして、「黄色い蜂」の由来となった丸くふくらんだ尻尾のギロシュ仕上げが見どころである。

ギロシュとは細かい飾り模様を刻んだうえに半透明の本エナメルを施す手法だが、このようにこぼれ止めの「枠」がなく全体をエナメル仕上げにすることはいまでは技術的に難しい。

この仕上げひとつとっても「エナメルのファベルジェ」といわれた卓越した技術が偲ばれる。

*ヴィクトリア時代、ベルエポックの19世紀末から20世紀初頭まではダイアモンドのカットといえば「ローズカット」であり、より多面体の「プリンセスカット」は発明されていなかった。

逆に「ローズカットダイアモンド」であればアンテイークジュエリーの証とされている。


ローズカットダイアモンドはカット数が少ない分、「ひかり過ぎない」として昼間のパーテイなどにはむしろ最適であるとそれなりのクラスのあいだでは愛用される方もいる。






価格 : 1,397,000円 (税込 円)
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