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Mirai003S「 bespokeクラシックケープ 」
GoldenClassic
みらい
no. 3
bespoke
ClassicCape
「クラシックケープ」
2020年で世界はもういちど転換する、
あなたのみらいは「誰かが予測して」「準備してくれるもの」じゃない、
あなた自身がリアルに選び取るものだ、
最上の「みらい」から最悪のものまで
「複数のみらい」が選択可能で、もう21世紀では他人まかせは通用しない、
でも、それは孤独っていうわけじゃないんだ、
リアルに「生きる」っていうことで、
ストレートな思いやりさえあれば一緒に歩む仲間だってつくれる、
愉しいみらいを計画して口笛を奏でながらドライヴしていこう、
「みらい」のつくりかたをみんなで学ぼう、
「みらい」にアトリエの工芸の粋を尽くした傑作をひとつづつ残そうと強く思っています、
そしてそれは、モノだけじゃなくメンバーと一緒に「愉しいみらい」を創造していくものにしたいと望んでいます、
傑作には必ずソレなりのバックストーリーがあって、
それを発注し、受け取るメンバーの方とのやり取りや仮縫いなど、そういうところから「愉しいみらい」が予定され、積み重なっていくんだと思います、
その「愉しいみらい」のために、唯一無二の素材や練りに練った仕立ての工夫や、すご腕の職人たちの真摯な愛情を用意しています、
「みらい」の第三作目は
美しくクラシックな「bespokeケープ」です。
このケープコートは職人の手仕事の「究極」だといえるでしょう。
銀座東京
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「紳士の装い(ワードローブ)」のなかでも最もクラシカルなオーヴァコートといえば、この豊かなドレープを魅力的にみせる「クラシック ケープ」である、
いまや「忘れさられ」ようとしている極めて優美なこのオーヴァーコートは、中世・近世においては凍てつく冬の最もエレガントな紳士の姿だった、
今回、「みらい」の第三作目として、この「クラシック ケープ」を取り上げるのには理由がある、単なる「ノスタルジック趣味」からの「思いつき」ではない、
研究すればするほど、解体していけばしていくほど、
これほど「エレガント」で、しかも「着やすく」、かつ「実用的な」オーヴァーコートは他に類をみないと確信したのだ、
このオーヴァーコートを研究していくと、
いまのコートとは全く異なる「優雅なドレープ(余裕)」から生まれるエレガンスとか、空気のように「包む」フィッテイングの着心地の良さとか、ここには紳士の装いのクラシックの究極が潜んでいると思う、
私は、改めて「紳士の美しい姿」とは何かということを考えさせられた、これは「オーヴァコートの芸術」なのだ、
しかし、いまやこの紳士の「クラシック ケープ」を正しい美意識で美しく仕立てられるアトリエは稀である、
だからこそ、これこそ「みらい」にふさわしい、
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この「クラシック ケープ」のスタイリングとプロポーションは明らかに他のコートと一線を画する、
考え方が違うのだ、
タウンコートいちドレッシーなチェスターフィールドだろうがなんだろうが、
我々が知るオーヴァコートのどれもの追随を許さない唯一無二のエレガンスをこのオーヴァーコートは誇っている、
そのエレガンスは美しい「ドレープ」から生まれてくる、ここが重要だ、
つまりボデイラインに沿って「シェイプ」させていくことではなく、ボデイに対して如何に「優雅な余裕」を描いていくかでエレガンスが成立しているのだ、
これは、より成熟した数段格上の美意識が必要になってくる、
動きにあわせて美しくドレープを描いて揺れる「ケープ」は防寒着に過ぎないオーヴァーコートに詩のような美学を与える、
凄腕の職人によって魂をこめて仕立てられたこの「ケープ」はふわりと丸みを帯びた「立体」として構築される、
肩へのフィットはラグランスリーブでもなく、肩パッドなどもない、
あくまで周到に計算された「二重の布の立体」で、矛盾なく肩と背をぴたりと包みこみ魔法のように美しいショルダーラインを描く、
そこには仕立て服の芸術(アート)と呼ぶべきものが宿っている、
そしてその美しい肩から、豊かなAラインを描くコートは動きにそって惚れ惚れするドレープを魅せる、
そう、このコートは動くほど美しい、
「歩く」、「手を挙げる」、「ポケットに手を入れる」、、、貴方のあらゆるしぐさで美しくみえるのだ、
しかも、このドレープを軸とした「フィッテイング」はエレガントであるだけでなく、
空気を纏うような着心地で驚くほど軽く暖かい、
一度慣れてしまえば、このコートの快適さと着やすさに他のコートには袖を通し難くなることだろう、
ちなみにこのコートを仕立てるためには通常のコートの倍の生地が必要になる、
勿論、生地の量だけの話ではなく、このコートほどテーラー及び職人の技量と美意識が問われるものはない、
新テーラリングチームを編成するにあたって最初のプロジェクトとしこの「クラシックケープ」を選び、昨年来より徹底的に研究してきた、
既存のクラシックケープを解体し、この六義モデルでは独自のカッテイングと仕立て方法を構築している、
だから、いわゆる「インヴァネス」とも「二重回し」や「トンビ」とも仕立て方は違う、
どこよりも進んだ内容を捉えているという自信がある、
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この特別製の「クラシックケープ」のために準備した素材は、
やはり特別に織らせたきわめて英国的なクラシックイングリッシュネイヴィーのヨークシャフラノです、
織機のセッテイングを変えかなり高密度に織っています、糸はメリノウールの最上質のものを選んであるので、底光りするような光沢があり、カシミアとも違うしっとりした感触で非常に着心地が良いと思います、
イングリッシュネイヴィーのクラシックフラノでは多分一番だと私は思います、
今回はコート部分の裏地にはグレイのサテンシルクを、ケープにはブルーのイリデイセントのシルクを張ってあります(どちらのシルクも残念ながら既にありません、)、コートは面積が大きいので大柄のシルクも美しく納まると思います、
このコートは実はきわめて快適でもあります、体を締めつけることなく空気のように包んで、身に付けてしまえば極めて柔らかい温かさがあります、
最後にどうでも良いですが、このクラシックケープの由来を記しておきましょう、
ケープ付きのコートとして日本で良く知られるいるのは、スコットランドのインヴァネスを名の由来とする「インヴァネスコート」です、
これは元来はハイランドのクランタータンやキルトに合わせたもので、防寒と一説にはバグパイプを雨滴から守るために発明されたといわれています、
明治期にこの「インヴァネスコート」が我が国に紹介され、「思わぬ発展」をみせます、
それは、このコートがきもの姿にも実に便利で実用的だったからです、お察しのように普通のオーヴァコートでは袂の拡がったきものでは着れません、
しかし、この袖なしの「インヴァネス」はボデイに切り込みがあるだけなのでなんなくきものをきたままで着用できるのです、
そのせいか、本場英国ではケープのないチェスタフィールドに主役の座を許した「インヴァネス」ですが、大正、昭和初期と日本では和装とあわせて大流行をします、
流行とともに、「インヴァネス」を基本としながらもケープが一体化したものなど日本独自のヴァリエーションも生まれていきます、「二重回し」「二重マント」「とんび」などと呼ばれるものがそうですが、ちなみに明治、大正、昭和初期ではこうした外套は「お大尽」だけが着ることのできる贅沢なものであったそうです、
今回の六義モデルはアトリエ独自の仕立て方法で構築します、
新テーラリングチームによるビスポーク仕立て、
(何回かの仮縫いつき、ライニング、ボタンについてはご相談いたしましょう、ビスポークは感性を解放することです、いっぱい愉しんで幸せになりましょう、)
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