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テレンス ザ・テンペスト モンタギュー伯爵コレクション018S「 名人の手 スペシャルヴァージョン リヨンオートクチュールシルクのカードケース」
bespoke classic 六義RIKUGHI
Art&ClassiC
The collection of
「テレンス ザ・テンペスト モンタギュー伯爵」
★
★★★
SPECIAL VERSION
「名人の手」
リヨン 博物館級オートクチュールシルク
「カードケース」
★
名人たちの手によって紡ぎだされ、織りあげられた「絹」の魔力に圧倒されるここしばらくだ。
タイの「名人」が40年間、大事に保管していた「繻子」の驚き。それは本当に「見たことのない驚きの繻子」であり、本心から「概念を覆された」。
そして丹後の地で昭和40年代からバブル期のあいだまで「国産糸」(いまや「まっとうな国産の絹糸」は数%にすぎない。実はほとんどが中国糸である。)で織られた「ラストカットシルク」の数々、それは「装い」における「絹」という「我々の常識」に衝撃を与え新たな拡がりを教えてくれた。
そして、今回、モンテスギュー伯爵にふさわしい「カードケース」として仕立てたのがフランスのかつての「絹の都」リヨンで1950年代〜1970年代に手織りされたこの星空のようなオートクチュールシルクである。これも二度と織ることのできない「絹の名作」であり失われたかつての「ヨーロッパ文化」のひとつだ。
リヨンの絹の手織り職人は「カニュ」と呼ばれる。リヨンは中世以来「カニュ=手織り職人」の絹の街と謳われ続けた。絹の手織りが一大産業だったのだ。しかし、それもいまは18世紀の手織りのジャカード織機やかつての手織りの絹を展示している「メゾン ド カニュ」と呼ぶ小さな「美術館(保存施設)」がかつてカニュたちが多く住んでいたクロワ・ルスという丘に点在しているだけで、いまも現役で絹を手織りしている「カニュ」はリヨンでもたった「9人」になってしまった。
★
この「星空」を思わせる立体的なジャカード織りの絹は当時リヨンを代表する工房の「カニュ」(女主人として優れたファブリックデザイナーでもあった。)から譲り受けたものだ。
この工房はパリでも有数のオートクチュールメゾンを顧客にもち深いつながりをもって仕事をしていたので通常の工房の「絹織物」とは凝りようがさらに数段
上をいっていた。
しかし、私が出会ったときはパリのオートクチュール産業もかつての勢いはなく、女主人もはすでに引退していた。
そのとき譲り受けた絹の断片は「カニュ人生の記念」として保管していたもので、小さなものはポケットスクエアがやっととれるほどの大きさだった。
これらはリヨンの絹織物のあらゆる「技」が駆使されており、いまでは滅多にみることのできない絹織物の「傑作」と同時に、優れたカニュが一生をかけて織りあげた「文化」である。
銀座東京